
| 石川 太郎 東京慈恵会医科大学医学部 薬理学講座 人工小脳構築に向けた大脳小脳連関の解明 脳の機能が情報処理であるならば、その機能の一部をコンピューターに代替させることが可能だろう。例えば、事故や病気によって小脳に障害を負い運動失調が生じた人の脳に、小脳機能を代替するコンピューターを接続すれば、失われた運動機能を回復させることができるのではないだろうか。本研究は、このような技術開発を可能にするために、実際の脳の神経回路における情報処理の仕組みを明らかにすることを目標としている。 |
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| 大谷 直子 癌研究会癌研究所 がん生物部 細胞老化抑制による新規不妊治療法の開発 遺伝的に不妊のマウスにおいて、細胞老化を誘導する機能があるp16遺伝子を欠失させると妊娠・出産が可能になったことから、子宮内膜細胞におけるp16の発現上昇による「細胞老化」が原因で着床阻害が起こる可能性が考えられた。本研究では、細胞老化に起因する着床阻害の詳細なメカニズムを明らかにし、不妊マウスにおいてインビボ・ノックダウン法にてp16遺伝子の機能を一時的に抑制すると着床が成立するかどうかを検討する。将来的にはp16の機能を一時的に阻害する低分子化合物を開発し、子宮内膜細胞の細胞老化に起因する不妊症治療薬を開発したい。 |
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| 金川 基 神戸大学大学院医学研究科 分子脳科学分野 糖鎖コード解読による高次脳機能と分子病態の解明 糖鎖は細胞・組織機能に重要な生体分子であるが、その生理機能や修飾機序に関して 不明な点は多い。個々の糖鎖の生理機能を解明することで、新たに理解できる生命現 象や疾患発症機序が存在することは想像に難くない。本研究では、個々の糖鎖が意味 する生物学的情報“糖鎖コード”を解読し、どのように糖タンパク質、細胞、組織が 機能を獲得・維持するか、そしてそれらの破綻がどのように疾患を引き起こすか理解 することに挑戦する。 |
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| 北尻 真一郎 京都大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 ヒト遺伝性難聴の新規原因分子TRIOBPによる、アクチン束化様式の解明 感音難聴は人口の20%を越える、非常に有病率の高い疾患ですが、根本的な治療法がありません。音は内耳有毛細胞にある不動毛を振動させ、それによりチャネルが開いて有毛細胞は脱分極します。音による振動という機械的ストレスを受けるため、不動毛は傷害されやすく、感音難聴に深く関わると考えられます。不動毛には長い根が存在し、これが不動毛変性を防ぐことを見いだしました。本研究では根がどのようにして形成されるのかを明らかにし、不動毛変性による感音難聴の克服をめざします。 |
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幸谷 愛 東京大学医科学研究所 分子療法分野 人工スーパー癌細胞を用いた革新的治療の開発 はるかな夢、若年者に発症する難治性癌を、”生体内で脱癌化させる“ことを胸に、がん細胞がクローン間で生存競争する現象に着目し, 人工的に悪性度の高い“スーパー白血病細胞”を作成し、白血病細胞と生存競争させることによって後者の増殖を抑制させる試みを行った。予備実験段階であるが、前者が後者の良性化を誘導していると考えられる実験結果を得た。更にこの結果を発展させ夢をかなえる治療法のきっかけを作りたい。 |
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近藤 輝幸 京都大学 先端医工学研究ユニット 磁気共鳴-光超音波マルチイメージングを可能とするGd2O3ナノ粒子の合成と機能評価 磁気共鳴イメージング(MRI)と光超音波マンモグラフィ(PAM)とを融合する革新的マルチイメージングプローブを開発し、「正確・迅速・患者にやさしい(QOLの向上)」画期的な画像診断を実現する。『「がん」が無ければ何も写らず、イメージとして写れば、そこに「がん」がある』という極めて明解な画像診断を実現し、「がん」の最先端医療を強力にサポートする“夢の”分子イメージングプローブを創製する。 |
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坂井 克之 東京大学大学院医学系研究科 認知・言語神経科学分野 脳から意思が生まれるメカニズム 本研究の目的は「わたし」という自我が脳のどのようなメカニズムによって成立するのかを明らかにすることです。自我などというあいまいな概念はこれまで科学の対象外でした。でも自我は確実に存在すると、私たち誰もが認識しています。その物理的メカニズムを確かな実験事実にもとづいて示すことで、自我すらも生命科学の土俵に上げることができると私は考えます。そうすることで、医学はヒトの精神を内面から治療する新たな段階へと発展することでしょう。 |
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宋 文杰 熊本大学 大学院生命科学研究部 大脳皮質一次聴覚野刺激による聴覚代行の実現 内耳有毛細胞が障害され、聴神経が免れている完全聾患者には、人工内耳の適用により、聴覚機能が著しく回復できるが、聴神経を両側で失われると、有効な治療方法は少ない。本研究では、このような患者のために、大脳皮質刺激型の人工聴覚システムを開発することを目指した基礎研究を行う。具体的には、純音に対する大脳皮質の活動が皮質の一か所に対する刺激で惹起できるという申請者らの発見に基づき、独自の刺激方式を提案し、実証する。 | |
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高橋 智聡 金沢大学がん研究所 がん幹細胞研究センター 腫瘍分子生物学研究分野 多重ノックアウト・ノックダウンのみで胚性幹細胞をつくる 遺伝子の過剰発現ではなく機能抑制によって胚性幹細胞発生を誘導する技術を開発できるならば、薬剤による制御が容易で安全な再生医療が可能になるかもしれない。同時に、その性質・存立機構が胚性幹細胞に酷似すると思われる癌幹細胞の理解・克服のために重要な知見が得られるかもしれない。複合変異マウスあるいは網羅的shRNAライブラリーなど機能ゲノミクスの手法を用い、そのような性質を持つ遺伝子群を同定・解析したい。 |
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中根 和昭 大阪大学大学院医学系研究科 保健学科 位相幾何学的手法を用いたアルゴリズムによる、癌組織診断に対する計算機支援技術の開発 現在の日本では病理医の数は圧倒的に不足しており、計算機による病理診断支援技術の開発は大きな課題である。今回、数学的手法を用いた癌組織判定アルゴリズムを開発した。この手法は、癌病変に伴う組織の接触・離散の変化を量的に捉えるもので、大腸癌に対して適用したところ、非常に良好な結果が得られた。今後信頼度向上・適用範囲の拡大を目指す。将来は、ネットワークを用いて、遠隔地のみならず、国境を越えた診断支援技術を確立したい。 |
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長浜 正巳 明治薬科大学薬学部 生体分子学教室 高等動物リボソームの組立てとその異常に起因する疾患の機序解明 真核生物のリボソーム組立てには、構成因子に加え200種以上の生合成補助因子が関与する。その制御は細胞増殖やアポトーシスなどの生体機能と深くかかわり、関連疾患も多数報告されている。しかし高等生物における生合成中間複合体の成熟は、その複雑さゆえ機構解析がほとんど進んでいない。本研究では蛍光ディファレンシャル二次元電気泳動と質量分析を基盤としたプロテオミクス技術を用い、リボソーム生合成と疾患発症機序との関連特定に向けた分子基盤の確立を目指す。 |
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西 英一郎 京都大学大学院医学研究科 循環器内科学 体温と生命 -体温調節機構の解明と疾患治療への応用- 今年の夏の記録的猛暑は記憶に新しい。体温恒常性は美しくデザインされた調節系の代表だが、その許容範囲を超える環境下で熱中症あるいは低体温症を発症すると、人は途端に命の危険にさらされる。一方救急医療の場においては、低体温療法が致死的虚血性疾患の予後改善に寄与している。偶然ながら我々の研究成果は「過酷な暑熱、寒冷環境への耐性獲得」「人為的体温調節と疾患治療への応用」への可能性を提示し、その実現が我々の夢のひとつとなった。 |
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藤岡 宏樹 東京慈恵会医科大学 分子細胞生物学研究部 匂いによる疾病スクリーニング法の開発 私の究極の夢は「匂いによって疾病を早期に発見する」こと、つまり「匂いによる人間ドック」を行うことです。将来的に、匂いを使った尿検査、血液検査、及び呼気検査から、癌を含む疾病特有の匂いを検知し、早期に診断する技術を開発します。本研究では、半導体を使ったセンサーによって、癌細胞の匂いスクリーニングを行い、特徴的な信号を見つける研究を展開します。 |
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藤田 恭之 北海道大学 遺伝子病制御研究所 分子腫瘍分野 正常上皮細胞と癌細胞の相互作用 私の研究室では新たに確立した培養細胞系を用い、周囲の正常上皮細胞の存在が、変異細胞のシグナル伝達や性状に大きな影響を与えうることを明らかにしてきた。今後はこれらの研究をさらに発展させることにより、正常細胞と癌細胞の境界で特異的に機能している分子を同定し、『周辺の正常細胞の力を借りて癌細胞を退治する』という、従来の癌治療の観点とは全く異なった新奇の癌治療へつなげていきたいと考えている。 |
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松下 正之 琉球大学大学院医科学研究科 人工ペプチドによる次世代癌治療戦略 癌発生の分子メカニズム、それら分子を標的とした抗体医薬や低分子化合物の開発は目覚ましい進展を遂げていますが、癌は依然として死亡原因の一位を占める疾患です。副作用の少ない分子標的薬剤が開発されていますが、依然として癌治療予後の最も重要な要因は、早期発見、早期治療であることに変わりはありません。私たちは「癌細胞に選択的に侵入するペプチド群」を用いて、早期診断・早期治療に応用できる夢の人工ペプチドプローブを開発したいと考えています。 |
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宮田 義浩 広島大学 原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科 一細胞ビデオ質量分析を活用した抗癌剤応答の細胞内分子動態解析法の開発とその臨床応用 我々の研究グループが開発したビデオマススコープは、生きた細胞をビデオ顕微鏡で観察しながら、微量の細胞内成分を微細な針で吸い取り、分子をイオン化することで細胞内分子の質量分析を行う技術である。従来の“オーム”研究は不均一な癌の平均値を見ているに過ぎないが、一つの生きた細胞内の分子組成や代謝の追跡がリアルタイムに可能なこの独自の新技術により、異なる細胞の変化を個々に解明するという癌研究者の長年の夢が実現する。 |
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矢田 俊彦 自治医科大学医学部 生理学講座統合生理学部門 Nesfatin-1・Oxytocinによる摂食制御と治療展開 摂食統合中枢である視床下部室傍核において<Nesfatin-1(Nesf)-オキシトシン(Oxt)>神経回路による摂食抑制を発見した。本研究では、 (1)Nesf-Oxt系による室傍核制御機構を解明し食欲の脳科学を推進し、(2)分娩・射乳の女性の周産期機能に特化したOxtに生物普遍的な摂食機能を確立して内分泌学を刷新し、(3) Nesf-Oxtへの介入による生活習慣病(過食・肥満・糖尿病・メタボリックシンドローム)治療法の開発を目指す。 |
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山下 俊英 大阪大学大学院医学系研究科 軸索変性を抑制する分子標的治療法の開発 神経軸索の変性現象は、中枢神経損傷や神経変性疾患の病態として広く認められ、この過程を適切に抑制することができれば、神経疾患による神経症状の増悪を止めることができると考えられるが、そのメカニズムに関する知見はいまだ断片的である。本研究では、我々が構築したin vitroのアッセイ系を用いて、外因および内因による軸索変性の分子メカニズムの全貌を解明し、軸索変性を抑制する手法の開発に繋げていきたい。 |
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