五代武田長兵衞氏(武田和敬翁)は、1923年9月、関東大震災により東京で貴重な典籍が灰燼に帰したことを大いに痛嘆し、日本・中国の本草医書の散逸を防ぐことが、将来、社会・学界のために極めて有意義であると考え、早川佐七氏蔵書、藤浪剛一氏蔵書などを、機会に応じ私財をもって購入し、後に「杏雨書屋」と呼ばれる文庫を形成しました。ちなみに杏雨とは杏林(医学)を潤す雨の意です。
この杏雨書屋は六代武田長兵衞氏に引き継がれ、歳月とともにその内容も増大しましたが、1977年当財団へ寄付を受けたので、1978年4月28日「杏雨書屋」の名称を継承し、本草医書を中心とする図書資料館として開館するに至りました。
本館では資料の永久保存を図るとともに、研究者の利用に供し、春秋年2回の特別展示会及び常設展の開催、研究講演会の開催、所蔵図書関係の出版等の事業活動を行っています。



杏雨書屋


展示会・講演会
「杏雨書屋所蔵の日記類」をテーマに、第81回特別展示会を以下のとおり開催いたします。
ご多用中とは存じますがご来場くださいますようご案内申し上げます。
展示会
第81回特別展示会「杏雨書屋所蔵の日記類」
- 期間:
- 2025年10月14日(火)~12月25日(木)【土日祝は休館:但し10/18、25、26、11/15、22、23は開館】
- 時間:
- 10:00~16:00
- 場所:
- 大阪市中央区道修町2-3-6 武田科学振興財団 1階 杏雨書屋 特別展示室
重要文化財『春記』および『実躬卿記』を展示しますが、原本展示は10月31日までの予定です。
また、会期終了後に見学を希望される方は、杏雨書屋事務局に見学の可否をお問い合わせください。
連絡先:06-6233-6108 kyou@takeda-sci.or.jp
講演会
第52回 研究講演会
- 日時:
- 2025年10月18日(土)13:00~15:30
- 場所:
- 大阪市中央区道修町2-3-6 武田科学振興財団 5階ホール
- 演題・講師:
- 「医家の遊学と遊歴と─関屋文白『遊歴日記』を中心に─」
大阪府立大学 名誉教授 山中 浩之 先生
「在村医家の日記に見る幕末期の地域医療─『本田覚庵日記』を中心に」
山梨大学 非常勤講師 長田 直子 先生
「特別展示会の見どころ」
町 泉寿郎 杏雨書屋運営協議員
申込受付期間:9月16日(火)~10月16日(木)
申込方法:電話/06-6233-6108、E-mail/kyou@takeda-sci.or.jp
注意事項:電話は平日10:00~16:00のみ可能、E-mailは受信日時順での受付けとなります。