研究助成

2022年度 武田報彰医学研究助成

細胞膜受容体の活性化機構に関する分子動画解析

研究題目 細胞膜受容体の活性化機構に関する分子動画解析
年度/助成プログラム 2022年度 武田報彰医学研究助成
所属 東北大学 多元物質科学研究所 量子ビーム構造生物化学研究分野
氏名 南後 恵理子
キーワード X線自由電子レーザー / シリアルフェムト秒結晶構造解析 / 細胞膜受容体
研究結果概要 X線自由電子レーザー(XFEL)によるシリアルフェムト秒結晶構造解析(SFX)は、極めて高い時間・空間分解能で構造変化を捉えることが可能である。本課題では、イオンチャネル型細胞膜受容体及びGタンパク質共役型受容体(GPCR)を標的として動的構造解析に取り組んだ。イオンチャネル型細胞膜受容体については、光解離性ケージドリガンドの設計・合成を共同研究にて行い、複合体結晶の作成に成功した。次にSACLAにて時分割SFX実験を行い、光解離後の生成物が結合している様子などを観察するに至った。GPCRの一種である視覚ロドプシンについては、様々な生物種由来の発現を検討し、高等生物由来のロドプシンの結晶化と構造決定に至り、現在動的構造解析に向けた検討を行っている。更に、光非感受性受容体の時分割実験を発展させるため、温度ジャンプ法の技術開発に取り組み、リゾチームを用いた検証実験では温度ジャンプによる構造変化を捉えるに至った。これらの成果は、細胞膜受容体の動作機構解明や創薬に貢献することが期待される。
公表論文