研究助成
2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
膵管腺癌におけるMaspin発現と上皮性質との関連
研究題目 | 膵管腺癌におけるMaspin発現と上皮性質との関連 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床)) |
所属 | 神戸大学医学部附属病院 病理診断科 |
氏名 | 上原 慶一郎 |
キーワード | 膵癌 / Maspin / 腺癌 |
研究結果概要 | 本研究では、膵癌における腫瘍抑制因子 Maspin の役割を多面的に検討した。膵癌細胞株のRNA発現、タンパク質発現解析でPK-8が最も高発現を示したが、CRISPR/Cas9によるKnock out株作製では生存細胞が得られず、Maspinが細胞生存に寄与する可能性が示唆された。細胞株のRNA-seqによる発現公開データを用いた主成分分析でMaspin低発現株が独立クラスターを形成し、差次的に変動した436遺伝子のGO/KEGG解析から細胞接着・上皮増殖経路が抽出された。Maspin高発現はCK7高値、低発現はVIM高値と対応し、上皮間葉転換との関連が示唆された。手術標本の免疫染色では浸潤癌および前がん病変で陽性率が高く、病理診断への有用性示唆された一方、十二指腸上皮や扁平上皮化生も陽性を示しその使用には注意が必要であった。低分化癌でも免疫染色陽性が保たれた症例もあり、RNA発現との乖離が認められた。総じて、Maspinは膵癌の上皮性維持と増殖に関与し、診断マーカーとして有望であると考えられるが、注意を要する。 |
公表論文 |
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