研究助成
2022年度 医学系研究助成(感染領域)
B型肝炎ウイルスの細胞侵入を標的とするモダリティの創出
研究題目 | B型肝炎ウイルスの細胞侵入を標的とするモダリティの創出 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(感染領域) |
所属 | 横浜市立大学 医学部微生物学 |
氏名 | 宮川 敬 |
キーワード | B型肝炎ウイルス / 創薬標的 |
研究結果概要 | 全世界に約2億9600万人のB型肝炎ウイルス(HBV)慢性感染者が存在するが、根治療法は存在しない。HBVの肝細胞侵入にはNTCPが主要受容体として機能するため創薬標的として魅力的だが、NTCPの直接阻害は本来の胆汁酸輸送機能への悪影響が懸念される。本研究では抗NTCP抗体を用いた近接標識法によりNTCP相互作用因子を網羅的に解析し、70個の候補タンパク質の中からタンパクXを同定した。共免疫沈降法およびNanoBRET法により、タンパクXとNTCPが細胞膜で相互作用することが明らかとなった。タンパクXのノックダウンにより細胞表面NTCP発現が有意に減少し、HBV感染効率も低下した。さらに、抗タンパクX抗体、中でも特定のドメインを標的とするクローンが顕著なHBV感染阻害効果を示した。実際にこの抗体はNTCPの細胞内移行を誘導することが判明した。ヒト初代肝細胞でも同様の阻害効果が確認された。タンパクXはHBV陽性肝細胞癌で過剰発現しており、標的抗体はウイルス感染阻害と腫瘍細胞破壊の二重効果が期待される。本知見はNTCPの間接的制御による新たなHBV治療モダリティの基盤を提供する。 |
公表論文 |
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