研究助成
2022年度 医学系研究助成(感染領域)
重症感染症を引き起こす鼻咽頭定着肺炎球菌の増殖機構の解明
研究題目 | 重症感染症を引き起こす鼻咽頭定着肺炎球菌の増殖機構の解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(感染領域) |
所属 | 東京医科大学 微生物学分野 |
氏名 | 柴田 岳彦 |
キーワード | Gas6 / Axl / RSウイルス / 肺炎球菌 / マクロファージ |
研究結果概要 | 肺炎球菌は乳幼児や高齢者の鼻咽頭に定着しているが、通常は無症状である。しかし、何らかのきっかけにより定着肺炎球菌が増殖すると、肺炎など重症化することがある。本研究では、この定着肺炎球菌の増殖機構の解明を目的とした。非麻酔マウスに肺炎球菌を経鼻的に接種し、肺炎球菌鼻咽頭定着モデルを作製した。このモデルにRSウイルスを感染させると、鼻咽頭での肺炎球菌増殖および下気道への移行が観察された。これまでの我々の研究成果を基盤にgrowth arrest-specific 6 (Gas6)/Axlに注目したところ、RSウイルス感染に伴い鼻甲介の漿液細胞からGas6が産生され、Axl (Gas6受容体)阻害剤BGB324の投与は肺炎球菌の増殖を抑制した。さらに、Gas6はマクロファージのM1型への分化を抑制し、肺炎球菌の排除を妨げた。これらの結果から、RSウイルス感染に伴い誘導されるGas6/Axlが抗菌能の低いマクロファージを誘導し、結果として肺炎球菌が増殖することが示唆された。本研究の成果は、RSウイルスワクチン開発にさらに意義を持たせ、新たな感染症治療法の創出に貢献することが期待される。 |
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