研究助成
2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
神経変性蛋白に着目した気分障害における神経病理学的探索
研究題目 | 神経変性蛋白に着目した気分障害における神経病理学的探索 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 順天堂大学 医学部大学院 精神医学講座 |
氏名 | 河上 緒 |
キーワード | Bipolar disorder / Neuropathology / Neurodegeneration / GVD / Thalamus |
研究結果概要 | 最近の神経病理学的研究では皮質下構造における神経変性タンパク質の蓄積が抑うつ症状や易怒性などの気分障害でみられる精神症状と関連することが示唆されているが、双極症(BD)における神経変性変化の影響はほとんど研究されていない。またBD動物モデルとしてPolg1変異トランスジェニックマウスを用いた知見から、視床室傍核(PVT)のBD病態生理への関与が示唆されている。本研究では、BD症例群23例と対照群9例の死後脳組織を対象とし、神経変性タンパク質の蓄積と顆粒空胞変性(GVD)に焦点を当てた。リン酸化タウ、アミロイドβ、αシヌクレイン、TDP-43等の主要な神経変性関連タンパク質、および、GVDマーカーであるCHMP2BとCK-18に対する抗体を用いた免疫組織化学染色を実施し、病理変化の程度と分布を詳細に評価した。対照群と比較してBD症例群でタウ病理の増加、遅発発症例でより進行した病理学的変化、特にBD症例群のPVTにおけるCHMP2B陽性GVDの存在が実証された。これはBD患者のPVTにおけるGVD病理の最初の報告であり、この領域がBD病態生理において潜在的な役割を持つ可能性を示唆している。 |
公表論文 |
2024年度より窪田(坂下)美恵へ代表者変更 現在、Psychiatry and Clinical Neurosciences (PCN) 誌に投稿し査読中である。 |
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