研究助成
2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
運命制御転写因子の相互排他的な発現メカニズムに立脚した小細胞肺がんの新規治療戦略の探索
研究題目 | 運命制御転写因子の相互排他的な発現メカニズムに立脚した小細胞肺がんの新規治療戦略の探索 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床)) |
所属 | 浜松医科大学 臨床薬理学講座 |
氏名 | 井上 裕介 |
キーワード | 小細胞肺癌 / 形質制御転写因子 / 相互排他性 / ASCL1 / NEUROD1 |
研究結果概要 | 形質制御転写因子(ASCL1、NEUROD1、POU2F3、YAP1、ATOH1)の発現プロファイルに基づく小細胞肺癌の分類が提唱され、個別化医療への応用が期待されている。申請者は、これら転写因子が相互排他的に発現する背景に、腫瘍抑制性に働く組み合わせが選択圧として作用していると仮説を立てた。小細胞肺癌切除検体を対象に、各形質制御転写因子の発現を免疫組織化学染色法によりタンパク質レベルで評価した。特にASCL1とNEUROD1については、組織レベルで両転写因子が共発現している例外的な腫瘍においても、個々の細胞レベルではそれぞれの転写因子が高度に相互排他的に発現していることを二重蛍光免疫染色法により明らかにした。次に、上記5つの全ての組み合わせの転写因子の共発現を誘導する小細胞肺癌細胞株を樹立し、ASCL1とNEUROD1の共発現が、クロマチン構造の改変と細胞分化プログラムの破綻を介して細胞死を誘導することを解明した。さらに、ASCL1支配型の小細胞肺癌において、共発現したNEUROD1が抗アポトーシス分子であるBCL2の発現を直接抑制することでアポトーシスを誘導する機構を解明した。 |
公表論文 | Lethal co-expression intolerance underlies the mutually exclusive expression of ASCL1 and NEUROD1 in SCLC cells. npj Precis. Onc. 9, 74 (2025). https://doi.org/10.1038/s41698-025-00860-6 |
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