研究助成

2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))

マルチオミックス解析による家族性骨髄系腫瘍の発症機序解明

研究題目 マルチオミックス解析による家族性骨髄系腫瘍の発症機序解明
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
所属 九州大学 大学院医学研究院プレシジョン医療学分野
氏名 平林 茂樹
キーワード 急性骨髄性白血病 / 骨髄異形成症候群 / DDX41 / NET-CAGE / エンハンサー
研究結果概要 家族性急性骨髄性白血病(AML)/骨髄異形成症候群(MDS)の原因遺伝子として、DDX41が同定された。DDX41の胚細胞変異はA500fsのような機能喪失型の片アリルの変異であり、後天的に体細胞変異R525Hを獲得する頻度が高い。しかし、これまで胚細胞変異と体細胞変異が疾患に果たす意義は十分にはわかっていない。本研究では、各変異の意義についてエンハンサー活性に着目して解析を行った。具体的には細胞株を用いて、DDX41の機能喪失により活性が変動するエンハンサーの同定を同定した。また、細胞株に胚細胞変異A500fsと体細胞変異R525Hのそれぞれを発現させ、それぞれの変異において転写が変動するエンハンサーを同定し、胚細胞変異と体細胞変異で有意に転写活性が異なるエンハンサーを同定した。加えて、各変異において転写変動する遺伝子群を同定した。今後はヒト検体での検証を進め、これらエンハンサーと遺伝子の臨床的意義を解明する予定である。
公表論文 なし