研究助成
2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
シナプス辺縁部におけるナノカラム構造の分子及び機能の総合的解明
研究題目 | シナプス辺縁部におけるナノカラム構造の分子及び機能の総合的解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 慶應義塾大学 医学部生理学 |
氏名 | 荒井 格 |
キーワード | 小脳平行線維シナプス / ナノカラム / 電位依存性Caチャネル(Cav2.3) / mGluR依存性LTD / 超解像顕微鏡法 |
研究結果概要 | 受領者はまずCav2.3にエピトープタグをノックインしたマウスを作出し、小脳平行線維-プルキンエ細胞シナプス(PFシナプス)におけるCav2.3局在の可視化に成功した。 次に膨張顕微鏡法によってシナプス内局在を解析したところ、Cav2.3は主に辺縁部でナノクラスターを作り、、シナプス後部の代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR1)と高い相関をもって局在していることが分かった。また、Munc13(伝達物質放出関連分子)のシナプス内局在を解析したところ、辺縁部においてシナプス後部のmGluR1との間にナノカラムを形成していることが分かった。 辺縁部ナノカラムに対するCav2.3の機能を検討するため、小脳の急性切片を作成し電気生理学実験を行った。Cav2.3を選択的に阻害してもPFシナプスのAMPA型グルタミン酸受容体を介した通常のシナプス伝達には影響がなかったが、mGluR1依存性長期抑圧は有意に減弱し、mGluR1の活性が選択的に低下していることが示唆された。 これらの結果から、mGluR1の活性化機構として辺縁部ナノカラムが存在し、Cav2.3が制御している可能性が示唆された。 |
公表論文 | "Bioorthogonal chemical labeling of endogenous neurotransmitter receptors in living mouse brains", Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, (2024年) vol. 121(6), e2313887121 |
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