研究助成

2022年度 医学系研究助成(基礎)

心臓感覚神経を介した構造的および電気的心臓リモデリング制御に関わるTRPV1関連分子経路の解明と新規治療標的同定

研究題目 心臓感覚神経を介した構造的および電気的心臓リモデリング制御に関わるTRPV1関連分子経路の解明と新規治療標的同定
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(基礎)
所属 信州大学病院 循環器内科
氏名 吉江 幸司
キーワード 心臓自律神経求心路 / 非虚血性進行性心機能低下モデル / 大動脈縮窄TACモデル / βadrenergic receptor / TRPV1
研究結果概要 心臓自律神経求心路修飾は非虚血性進行性心機能低下モデルにおいて、生存率の向上をもたらすことを確認した。またその背景として、心機能推移に明確な差が生じ、抗不整脈薬作用ももたらした。大動脈縮窄TACモデルにおける心臓求心路修飾効果では長期観察における心機能維持効果が確認できた。これらのモデルの生存率向上にカテーテル評価による血行動態も裏付けされていることが確認された。また心臓自律神経求心路遮断における脊髄から中枢レベルにおける神経活動の詳細を確認した結果については、心臓からの情報が入力される脊髄レベルにおいて有意差を持って、その入力が抑制されており、非虚血性進行性低心機能モデルにおいて認められる過剰なβ刺激のtriggerを求心路上流となる脊髄後角レベルから抑制をかけているメカニズムが示された。同時に中枢での交感神経活性の上昇を抑制している結果も示された。さらにβ Adrenergic receptor cascadeにおけるこれらafferent修飾の影響も確認された。本研究のハイライトとなる強力な交感神経抑制効果は自律神経求心路の最上流から阻害されていることが確認できた。
公表論文