研究助成

2022年度 医学系研究助成(基礎)

in vivoイメージングを用いたアミノ酸シグナルが投射するKLF15遺伝子発現調節機構の解明

研究題目 in vivoイメージングを用いたアミノ酸シグナルが投射するKLF15遺伝子発現調節機構の解明
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(基礎)
所属 筑波大学 医学医療系ニュートリゲノミクスリサーチグループ
氏名 武内 謙憲
キーワード ニュートリゲノミクス / 高タンパク食 / アミノ酸シグナル / 転写調節 / KLF15
研究結果概要 糖尿病、高脂血症、高血圧症などの生活習慣病の主たる原因は、代謝恒常性の破綻に起因すると考えられており、生体レベルでの糖・脂質・タンパク質を含む栄養代謝の恒常性維持機構の解明が急務である。生体内では、栄養状態の変化を精緻に感知し、それに応じた遺伝子発現の変動を通じて恒常性を維持している。申請者はその中でも肝臓での栄養代謝制御遺伝子の発現調節メカニズムを解析するため、マウス生体でのプロモーター解析手法“in vivo Ad-luc法”と転写因子発現ライブラリーを用いた網羅的転写因子探索法“TFEL scan法”を独自に開発し、糖・脂質・アミノ酸代謝調節にKLF15が重要であることを明らかにした。KLF15は高タンパク食摂取マウスの肝臓で発現が亢進することは知られているが、その発現調節機構は明らかでない。そこで本研究では、高タンパク食摂取、すなわち生体内でのアミノ酸組成の変動がKLF15遺伝子発現調節に与える影響をin vivo Ad-luc法とTFEL scan法にて解析した。その結果、高タンパク食摂取により応答するKLF15遺伝子に関するエンハンサー領域を同定するに至った。
公表論文 GR-KLF15 pathway controls hepatic lipogenesis during fasting、The FEBS Journal、 291 p259-271 2024. doi: 10.1111/febs.16957.