研究助成

2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))

放射線治療による好中球細胞外トラップ(NETs)を介したがん遠隔転移メカニズムの解明と予防法開発

研究題目 放射線治療による好中球細胞外トラップ(NETs)を介したがん遠隔転移メカニズムの解明と予防法開発
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
所属 京都大学医学部附属病院 放射線部
氏名 中島 良太
キーワード NETs / 好中球細胞外トラップ / PAD4
研究結果概要 好中球が自らのDNAを含むクロマチン構造を放出する好中球細胞外トラップ(NETs)という現象によってがんの遠隔転移が促進されていることが分かっている。このNETsを抑制する薬剤を使用することで遠隔転移を抑制するだけでなく、腫瘍内部のNETs形成を抑制し、さらには腫瘍そのものに対する放射線治療効果の高める増感効果が示された。実際に、PAD4抑制の新規薬剤について、マウス皮下移植モデルを用いて検討したところ、この薬剤がNETs形成を抑制するだけでなく、好中球の浸潤を抑制し、CD8陽性T細胞の浸潤を促進させていた。現在、PAD4抑制の新規薬剤がどのようなメカニズムで、好中球の浸潤を抑制し、CD8陽性T細胞の浸潤を促進させているのかを検討中である。
公表論文