研究助成
2022年度 医学系研究継続助成(精神・神経・脳領域)
無意識下での迅速な意思決定を可能にする脳内メカニズム
研究題目 | 無意識下での迅速な意思決定を可能にする脳内メカニズム |
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年度/助成プログラム | 2022年度 医学系研究継続助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 筑波大学 医学医療系 認知行動神経科学研究室 |
氏名 | 國松 淳 |
キーワード | 無意識 / 意思決定 / 眼球運動 / 呼吸 / 霊長類 |
研究結果概要 | 私たちはどのようにして親しい人の顔を覚えるのか。本研究では、脳の線条体尾部がこの認知過程に関与するかを検討した。線条体尾部は、大脳基底核の一部であり、これまで物の価値と関連づけた学習に関与するとされてきたが、複雑な社会的状況での機能は不明であった。そこで、1年以上日常的に接してきた人物の顔を「親しい顔」、面識のない人物の顔を「親しくない顔」としてサルに提示し、線条体尾部の神経活動を記録した。その結果、同部位の神経細胞は親しい顔に対して強く反応し、親しくない顔には弱く反応することが明らかとなった。また、同じ神経細胞が物の価値に対しても同様の反応を示すことが確認され、社会的な関係性も価値として脳に記憶される可能性が示唆された。さらに、線条体尾部は価値の高い対象を素早く見つける行動にも関与しており、子供や動物が無意識的に素早く親しい人物を見つけられる理由にも関わっていると考えられる。本知見は、社会的認知の神経基盤解明に寄与し、パーキンソン病など大脳基底核に関係する疾患理解にも貢献する可能性がある。 |
公表論文 |
A noninvasive method for monitoring breathing patterns in nonhuman primates using a nasal thermosensor. eNeuro 9(6): ENEURO.0352-22.2022. (2022) Dynamic prospect theory: two core decision theories coexist in the gambling behavior of monkeys and humans. Science Advances 9(20) eade7972 (2023) Neuronal response of the primate striatum tail to face of socially familiar persons. iScience 27(6) (2024) A method for evaluating hunger and thirst in monkeys by measuring blood ghrelin and osmolality levels. eNeuro 11(8)(2024) Formation of brain-wide neural geometry during visual item recognition in monkeys. iScience 28(3) (2025) |
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