研究助成

2022年度 医学系研究継続助成(基礎)

糖尿病性筋萎縮の克服を目指した新規治療標的の特定:血管−筋線維連関に着目して

研究題目 糖尿病性筋萎縮の克服を目指した新規治療標的の特定:血管−筋線維連関に着目して
年度/助成プログラム 2022年度 医学系研究継続助成(基礎)
所属 熊本大学 発生医学研究所 筋発生再生分野
氏名 藤巻 慎
キーワード 筋萎縮 / サルコペニア / Notchシグナル / Dll4 / Notch2
研究結果概要 申請者はこれまでの研究により、糖尿病や不活動といった個体環境において、筋線維内に張り巡らされている血管を構成する内皮細胞と筋線維の連関「Dll4-Notch2シグナル軸」によって筋萎縮が誘導されることを見出した。本研究では、この新たな骨格筋量調節機構が加齢性筋萎縮(サルコペニア)の発症に関与するか否かを検証した。遺伝子組換えや中和抗体、低分子阻害剤を用いて、このシグナルを阻害することで加齢に伴う筋萎縮や筋力低下を軽減できることを見出し、その背景として筋萎縮に関わるプロテアソーム関連遺伝子や細胞老化に関わるp53シグナル関連遺伝子の発現増加が抑制されることを明らかにした。これらの結果は、「Dll4-Notch2シグナル軸」がサルコペニアの発症を制御していることを示唆している。現在は、血管内皮におけるDll4の放出メカニズムや他臓器への作用について検討を進めている。
公表論文