研究助成
2022年度 薬学系研究助成
SPARC関連細胞外マトリックスとマトリックス分解酵素からの動脈硬化治療ターゲットの探索
研究題目 | SPARC関連細胞外マトリックスとマトリックス分解酵素からの動脈硬化治療ターゲットの探索 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
所属 | 京都薬科大学 薬学部 病態薬科学系 臨床薬理学分野 |
氏名 | 鳥羽 裕恵 |
キーワード | 細胞外マトリックス / 生活習慣病 / 動脈硬化 / SPARC / ADAMTS1 |
研究結果概要 | 計画に沿って、動脈硬化の危険因子である高血圧の病態下で、細胞外マトリックスSPARCが動脈硬化初期病変の血管内皮細胞障害と炎症反応の原因となることを、オキシコルチコステロン酢酸塩・食塩水投与により作製した高血圧ラットを用いて明らかにした。その機序はマトリックス分解酵素ADAMTS1を介していることを示し、新たな治療ターゲット探索に繋げるという計画も達成できた。さらに、SPARCやADAMTS1発現量が血圧や炎症マーカーと相関することを新たに発見し、動脈硬化予防に一石を投じる成果となった(Int. J. Mol. Sci. 2025)。加えて、動脈硬化の危険因子である慢性腎臓病は、急性腎障害から進展するケースが注目されているが、虚血再灌流により作製した急性腎障害マウスでは、siRNAでSPARCを抑制すると腎障害が軽減され、動脈硬化予防薬としてのSPARC抑制薬の有用性を示した(J. Pharmacol. Sci. 2025)。現在、糖尿病モデルを用い動脈硬化「予防薬」研究を継続するとともに、「治療薬」としてのSPARC抑制薬の可能性について検討したく、継続研究を申請中である。 |
公表論文 |
1. Secreted protein acidic and rich in cysteine (SPARC) induced by the renin–angiotensin system causes endothelial inflammation in the early stages of hypertensive vascular injury Hiroe Toba (corresponding), Mitsushi J. Ikemoto, Miyuki Kobara, Denan Jin, Shinji Takai, Tetsuo Nakata International Journal of Molecular Sciences 26: 4414 (2025) 2. Suppressing SPARC gene with siRNA exerts therapeutic effects and inhibits MMP-2/9 and ADAMTS1 overexpression in a murine model of ischemia/reperfusion-induced acute kidney injury Hiroe Toba (corresponding), Denan Jin, Shinji Takai Journal of Pharmacological Sciences 2025 Jun;158(2):103-112 (2025) 3. Exploring the roles of SPARC as a proinflammatory factor and its potential as a novel therapeutic target against cardiovascular disease Hiroe Toba (corresponding), Shinji Takai American Journal of Physiology. Heart and Circulatory Physiology, 327(5): H1174-H1186 (2024) |
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