研究助成
2022年度 薬学系研究助成
微小管-紡錘体極マトリクスからなるLLPS複合体形成を介した、タキソールの抗がんメカニズムの解明
研究題目 | 微小管-紡錘体極マトリクスからなるLLPS複合体形成を介した、タキソールの抗がんメカニズムの解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
所属 | 東京大学 大学院薬学系研究科 薬科学専攻生物薬科学講座 |
氏名 | 知念 拓実 |
キーワード | タキソール / NuMA / 自己凝集 |
研究結果概要 | 本研究では、タキソールが誘導する非中心体性の紡錘体極の形成メカニズムの解明を行った。タキソールの誘導する非中心体極においてはNuMAが過剰に集積しており、NuMAの除去により多極紡錘体形成の抑制が観察された。このことから、タキソールの抗がん活性の分子実態は、「NuMAの凝集による紡錘体極形成」であると推察される。そこで申請者は、NuMAは特殊な物理的性質を持ち、自己凝集して紡錘体極構造を形成すると想定した。NuMAの各ドメインを解析したところ、NuMAはCoiled-coilの一部とIDRドメインを介して液液相分離様の凝集を起こして極様の構造体を形成することを見出した。このことから、タキソールはNuMAの凝集を介してde novo紡錘体極形成を誘起する可能性が示唆される。続いて、NuMAの凝集ドメインの発現のみでTaxolと同様の表現型を誘起出来るか?を検討した。微小管作用薬を加えない条件下において、NuMAの凝集ドメインを発現させたところ、多極紡錘体が誘起された。このことから、NuMAの凝集化は、微小管動態変化を介さずに、直接紡錘体の多極化を誘起する可能性がある。 |
公表論文 | Takeda Y, Chinen T, Honda S, Takatori S, Okuda S, Yamamoto S, Fukuyama M, Takeuchi K, Tomita T, Hata S, Kitagawa D (2024). Molecular basis promoting centriole triplet microtubule assembly. Nature Communications, 15, 2216, doi: 10.1038/s41467-024-46454-x. |
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