研究助成

2022年度 薬学系研究助成

非ミトコンドリア型カルジオリピンの産生機構と生理的意義の解明

研究題目 非ミトコンドリア型カルジオリピンの産生機構と生理的意義の解明
年度/助成プログラム 2022年度 薬学系研究助成
所属 東京大学 大学院薬学系研究科 衛生化学
氏名 河野 望
キーワード カルジオリピン / 飽和脂肪酸 / 精子形成
研究結果概要 Tetrapalmitoyl cardiolipin (TPCL)は、脂肪酸鎖が全てパルミチン酸(飽和脂肪酸)であるカルジオリピン分子種であり、精巣の伸長精子細胞に特異的に存在し、小胞体や小胞体-ミトコンドリア接触部位(MAM)に局在する非ミトコンドリア型カルジオリピンである。本研究では、❶精子細胞におけるTPCLの産生機構の解明と❷TPCLの精子形成における作用メカニズムの解明を目的とした。その結果、TPCL合成の最終段階を担う酵素を同定し、その欠損マウスではTPCLがほぼ完全に消失し、精子細胞の分離不全による精子形成異常を示すことが明らかとなった。またTPCL合成不全マウスにおいてE3リガーゼの活性化が減弱していること、E3リガーゼの活性化に関わるタンパク質がTPCL含有膜と相互作用することが明らかとなった。
公表論文