研究助成

2022年度 薬学系研究助成

エンドサイトーシス経路制御因子を標的とした萎縮型加齢黄斑変性の新規治療薬の開発

研究題目 エンドサイトーシス経路制御因子を標的とした萎縮型加齢黄斑変性の新規治療薬の開発
年度/助成プログラム 2022年度 薬学系研究助成
所属 岐阜薬科大学 バイオメディカルリサーチ講座
氏名 大津 航
キーワード 網膜 / エンドサイトーシス / プログラニュリン / テトラスパニン
研究結果概要 加齢黄斑変性は、加齢とともに黄斑の障害が不可逆的に進行し、場合によっては失明に至る網膜変性疾患である。高齢化に伴い世界的に増加傾向にあり、高齢者のQOL維持の大きな課題となっている。その発症原因や病態進行の分子基盤において、細胞内膜輸送系、特にエンドサイトーシスの関与が示唆されている。エンドソームはレトロマーによる受容体の再利用やプロトンポンプの輸送を介して、初期エンドソームから後期エンドソームへと成熟していき、その成熟に伴い内腔が酸性化する。このエンドソーム内腔の酸性化は内腔基質の分解やリソソーム膜上に存在しているmTORの活性などに働いているが、この酸性化を制御する成長因子としてプログラニュリンが知られている。そこで、本研究ではプログラニュリンに着目し、検討した結果、視細胞のテトラスパニンの外節輸送へのプログラニュリンの関与を示唆する結果を得ることが出来た。外節の構造とその分解は網膜恒常性維持に重要であり、本研究結果はプログラニュリンとその関連因子の眼疾患の新たな治療標的としての可能性を示唆するものである。
公表論文