研究助成
2022年度 薬学系研究助成
エンドソームのpH制御因子から紐解く神経難病ALSの病態進展機序
研究題目 | エンドソームのpH制御因子から紐解く神経難病ALSの病態進展機序 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
所属 | 日本大学 薬学部 臨床医学研究室 |
氏名 | 徳田 栄一 |
キーワード | タンパク質凝集体 / 細胞間伝播 / エンドソーム / プロトンスポンジ効果 |
研究結果概要 | 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の脳内に蓄積するSOD1やTDP-43凝集体は細胞間を伝播し、ALSの病変部位の拡大に関与する。これら凝集体は伝播の過程でエンドソームに集合し、エンドソーム破壊を繰り返しながら伝播する。しかし、イメージング技術が主体の従来の研究では、凝集体のエンドソームでの詳細な挙動を解析できず、エンドソームから拡大する凝集体の伝播制御には至っていない。本研究では、ALS関連タンパク質凝集体のエンドソームでの挙動が薬物送達の理論「H+スポンジ効果」で説明可能な点に着目し、エンドソームから拡大する伝播機序の解明やその阻止方法の確立に挑戦した。その結果、凝集体は自身の塩基性アミノ酸でエンドソーム内のH+を吸収し、エンドソーム破壊と伝播を繰り返すことが判明した。凝集体によるH+スポンジ効果は、エンドソーム内のH+制御因子を遺伝子改変しH+量を制限すると、エンドソームの破壊や凝集体の伝播が抑制された。本研究は当該分野で約15年も未解明な現象「エンドソームから拡大する凝集体の伝播」を解明し、エンドソーム内のH+制限という新しい伝播制御の戦略基盤を提供ものである。 |
公表論文 | Tokuda E (corresponding author), Sakashita Y, Tokoro N, Date A, Kosuge Y, Miyasaka T. MS785-MS27 Reactive Misfolded/Non-Native Zn-Deficient SOD1 Species Exhibit Cytotoxicity and Adopt Heterozygous Conformations in Motor Neurons. Int J Mol Sci. (2024) 25 5603. |
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