研究助成
2022年度 薬学系研究助成
細菌解糖系による細胞壁合成制御機構に着目した新規抗菌薬の探索
研究題目 | 細菌解糖系による細胞壁合成制御機構に着目した新規抗菌薬の探索 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 薬学系研究助成 |
所属 | 大阪大学 産業科学研究所 生体分子制御科学研究分野 |
氏名 | 田口 厚志 |
キーワード | 肺炎球菌 / ピルビン酸キナーゼ / ホスホマイシン / 解糖系 / 薬剤耐性 |
研究結果概要 | 本研究では、多剤耐性化が大きな課題となっている肺炎球菌において必須酵素であるピルビン酸キナーゼ(PYK)の機能解析と阻害剤の探索を行った。ピルビン酸キナーゼは、解糖系の最終反応を担う酵素であり、細胞壁合成を標的とする抗菌薬ホスホマイシンに対する耐性化にも寄与している。我々は、PYKが菌体内のホスホエノールピルビン酸の量を調節することで細胞壁合成を制御していることを見出した。PYKはアロステリック酵素であることが知られているが、肺炎球菌PYKのエフェクター分子は同定されておらず、機能解析が進められていなかった。そこで、精製PYKを用いた機能解析を行い、肺炎球菌PYKが解糖系中間体のフルクトース-1,6-ビスリン酸により活性化することを示した。また、結晶構造解析からエフェクター分子の結合領域の同定や結合に伴う構造変化を捉えることに成功し、PYKの制御メカニズムを分子レベルで解明した。本研究の成果は、構造情報に基づく阻害剤の最適化設計や代謝系と細胞壁合成系との相互作用に関する理解を深化させる一助となる。 |
公表論文 |
Structural basis of nucleotide selectivity in pyruvate kinase. J. Mol. Biol. 168708 (2024) Functional characterization of Streptococcus pneumoniae pyruvate kinase involved in fosfomycin resistance. J. Biol. Chem. 104892 (2023) |
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