研究助成
2022年度 特定研究助成
神経発達・再生と腫瘍浸潤における細胞移動：共通するメカニズムの解明と創薬応用
| 研究題目 | 神経発達・再生と腫瘍浸潤における細胞移動：共通するメカニズムの解明と創薬応用 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2022年度 特定研究助成 |
| 機関名 | 名古屋市立大学 医学研究科 |
| 代表者名 | 澤本 和延 |
| キーワード | 生後脳のニューロン新生 / 脳室下帯 / ニューロン移動 / 神経再生 |
| 研究結果概要 | 生後脳で生まれるニューロンの多くは、側脳室の外側壁（脳室下帯）に存在する神経幹細胞から産生され、長距離を脳内の目的地まで移動して、神経回路に組み込まれる。本研究ではこれまでに、移動するニューロンのmRNAやタンパク質の発現をオミクスの手法を用いて網羅的に同定し、その分子プロファイルを明らかにした（Miyamoto et al., Front Neurosci 2025; Nakajima et al., Nat Commun 2024）。また、ニューロン移動の制御メカニズムとして、へパラン硫酸プロテオグリカンや胃由来ペプチドGhrelinの役割を解明した（Nakajima et al., Nat Commun 2024; Ogino et al., eLife 2024）。さらに、マウスおよびコモンマーモセットの脳傷害モデルにおいて、ニューロン移動におけるノイラミニダーゼを介したPSA-NCAMの接着制御機構を明らかにするとともに、ノイラミニダーゼ阻害剤による新たな神経再生法を提唱した（Matsumoto et al., EMBO Mol Med 2024）。 |
| 公表論文 |
・Identification of the growth cone as a probe and driver of neuronal migration in the injured brain. Nat. Commun. 15,1877 (2024) DOI:10.1038/s41467-024-45825-8 ・Neuraminidase inhibition promotes the collective migration of neurons and recovery of brain function. EMBO Mol. Med. 16: 1228-1253 (2024) DOI:10.1038/s44321-024-00073-7 ・Neuronal migration depends on blood flow in the adult brain. eLife 99502.1 (2024) DOI:10.7554/eLife.99502.1 ・High spatial resolution gene expression profiling and characterization of neuroblasts migrating in the peri-injured cortex using photo-isolation chemistry. Front. Neurosci. 7:18:1504047 (2025) DOI:10.3389/fnins.2024.1504047 |