研究助成
2022年度 特定研究助成
炎症・免疫異常から見たこころの疾患の病態解明
研究題目 | 炎症・免疫異常から見たこころの疾患の病態解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 特定研究助成 |
機関名 | 神戸大学 大学院医学研究科 |
代表者名 | 内匠 透 |
キーワード | 自閉症 / 精神疾患 / 炎症 / 免疫 |
研究結果概要 | 癌や生活習慣病などの複合疾患において慢性炎症や内因性免疫応答が病態の根底にあるとの知見が蓄積される中、精神疾患でも炎症・免疫の関与が注目されている。特に、母体免疫活性化による発達障害仮説や、ストレスを介した気分障害における免疫異常などが提唱され、動物モデルを用いた研究が進展している。本研究では、様々な動物モデルを用いて炎症・免疫異常の観点からの解析を行った。また、これらを含めて、自閉症を含む精神疾患の病態解明に関連する論文を報告した。例えば1例を紹介すると、特発性自閉症モデルマウス(BTBR系統)における全身性免疫異常の起源を、胚発生期の造血前駆細胞にまで遡って解析した。単一細胞RNAシーケンスにより、動脈性造血部位(AGM)および卵黄嚢(YS)由来の前駆細胞で、HDAC1を中心とするエピジェネティックな制御異常が造血系およびミクログリア発生に影響し、脳炎症や腸内環境の破綻を引き起こすことが明らかとなった。さらに、免疫プロファイルと腸内細菌叢との関連も示され、免疫異常型ASDのバイオマーカーおよび新たな治療標的の可能性が示唆された。 |
公表論文 |
Lin CW, …, Takumi T. An old model with new insights: endogenous retroviruses drive the evolvement toward ASD susceptibility and hijack transcription machinery during development. Mol Psychiatry. 28:1932-1945, 2023. Nakai N, …, Takumi T. Virtual reality-based real-time imaging reveals abnormal cortical dynamics during behavioral transitions in a mouse model of autism. Cell Rep. 42:112258, 2023. Sato M, …, Takumi T. Social circuits and their dysfunction in autism spectrum disorder. Mol Psychiatry. 28(8):3194-3206, 2023. Kaizuka T, …, Takumi T. Remodeling of the postsynaptic proteome in male mice and marmosets during synapse development. Nat Commun. 15:2496, 2024. Nomura J. …, Takumi T. ESC models of autism with copy number variations reveal cell-type-specific translational vulnerability. Cell Genom, in press. |
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