研究助成
2022年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)
新しい心不全治療の開発を目指した『心筋剛性制御のしくみ』の解明
研究題目 | 新しい心不全治療の開発を目指した『心筋剛性制御のしくみ』の解明 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート) |
所属 | 岡山大学 学術研究院医歯薬学域 |
氏名 | 片野坂 友紀 |
キーワード | 心臓 / 剛性 / TRPV2 / メカノセンサー / 心機能 |
研究結果概要 | 心不全とは、心臓のポンプ機能が低下して、抹消の臓器に十分な血液を送れない状態である。発症後の5年生存率は大変悪く、心移植以外に根本的治療はない。現状では、75歳以上の約20%が心不全患者である。我々は、これまでの研究において、メカノセンサー候補分子TRPV2が、心臓の機能維持に必須であること、TRPV2は細胞骨格の適正な構築に重要であること、心不全において筋肉の剛性が増大することを見出している。そこで、本研究では、TRPV2を核として、心臓の成長、維持、血行動態負荷への適応的肥大応答、その破綻による不全応答を一連の現象として捉え、心臓の剛性がどのように形成され、また破綻するかを明らかにした。具体的には、T管膜形成前の生後2週間よりTRPV2を欠損させたマウスは、細胞の収縮力、細胞内のサルコメア構造、心筋細胞間の連絡部位である介在板の構造、心収縮力を正常マウスと同レベルに維持することでできなかった。これらのマウスは、血行動態負荷に対する適応的応答が不能であり、心不全を生じた。これらのことは、心筋細胞のTRPV2は、適正な剛性をもった心臓を形成するために不可欠であることを示している。 |
公表論文 |
TRPV2 mediates stress resilience in mouse cardiomyocytes. Communications Biology, 2025, 8, 715. doi: 10.1038/s42003-025-08167-9. Dong Y, Wang G, Ujihara Y, Chen Yanzhu, Yoshida M, Nakamura K, Katanosaka K, Naruse K, Katanosaka Y. |
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