研究助成

2022年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)

生体由来バリア形成因子の作用機序の解明とその応用

研究題目 生体由来バリア形成因子の作用機序の解明とその応用
年度/助成プログラム 2022年度 ビジョナリーリサーチ継続助成(ホップ)
所属 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所
氏名 小田 裕香子
キーワード 上皮細胞 / 生理活性ペプチド / 細胞間接着 / F-actin / 上皮間葉転換
研究結果概要 ビジョナリー(スタート)での研究において、上皮バリア形成に寄与する新規ペプチドJIPs(Junction inducing peptides)を同定に成功した。JIPはα1-antitrypsinがMatrix metalloproteaseによって切断されたC末端由来のペプチドで、三量体Gタンパク質G13に直接作用することで、TJ形成を誘導することを明らかにした。また、JIPはDSS誘導性大腸炎モデルにおいて、腸管バリア機能の回復や炎症の抑制に寄与する結果を得た。これらの成果を基盤として、ビジョナリー(ホップ)ではJIPの機能をさらに発展的に解析し、特に細胞骨格F-actinの制御の観点から研究を進めた。その結果、TJあるいは上皮細胞への作用にとどまらないことが明らかとなり、JIPが多層的な生理的役割を果たす分子であることが示された。現在、これらの知見を基に、研究の本格的な展開に向けデータ取得を進めている。
公表論文