研究助成

2022年度 ハイリスク新興感染症研究助成

酸化鉄ナノ粒子を用いた新規COVID-19ワクチンの開発

研究題目 酸化鉄ナノ粒子を用いた新規COVID-19ワクチンの開発
年度/助成プログラム 2022年度 ハイリスク新興感染症研究助成
所属 東北大学 大学院医学系研究科 感染分子病態解析学分野
氏名 佐藤 光
キーワード COVID-19 / ワクチン / 粘膜免疫 / SARS-CoV-2 / IgA抗体
研究結果概要 COVID-19はSARS-CoV-2による呼吸器感染症で, 2019年に初めて報告されて以来世界的な大流行が続き, 今なお公衆衛生上問題となる感染症の一つである. このウイルスは主に呼吸器粘膜から侵入するため, 分泌型IgA抗体が感染を成立させないための有効な手段となり得る. これまで数々のワクチンが開発されてきたが, 現行のワクチンは注射式であるため, 血中のIgG抗体を誘導可能だが, 分泌型IgA抗体の誘導は乏しい. 次世代ワクチンとして, このIgA抗体を誘導可能なワクチン開発が望まれている.
このような背景から, 我々は粘膜免疫を誘導可能な新規COVID-19ワクチンの開発を行った (特許出願中のため当該ワクチンの詳細は非開示). 作成したワクチンをマウスへ投与した結果, 全身免疫に加え気管支・肺胞に粘膜免疫の誘導を認めた. これらの抗体はウイルス中和活性を有していた. IgA抗体はワクチン投与後長期間経過すると低下したが, 抗原の再暴露で産生増強が確認され, 記憶免疫も誘導可能であることが示唆された.
現在, 臨床応用に向けた研究を進めているところである.
公表論文