研究助成
2023年度 生命科学研究助成
哺乳類の冬眠発動を決定する分子メカニズムの解明
| 研究題目 | 哺乳類の冬眠発動を決定する分子メカニズムの解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 生命科学研究助成 |
| 所属 | 山口大学 時間学研究所時間生物学研究室 |
| 氏名 | 明石 真 |
| キーワード | 冬眠 |
| 研究結果概要 | 内因性メラトニンの機能を理解するには、その合成酵素の遺伝子改変が必要である。本研究では、季節性哺乳類シリアンハムスターにおいて、メラトニン生合成の律速酵素であるAANATの機能欠損個体を作製した。この変異体の概日周期は正常であったが、明暗サイクル変更に対する同調が加速していた。次に、この変異体を用いて秋冬期環境適応におけるメラトニンの役割を検討した。短日条件に慣らした後に低温に曝露すると、対照群は深部体温を維持したが、多くの変異体では深部体温が低下した。その後の食物制限により両群で冬眠が誘導されたが、変異体は中途覚醒時の体温上昇が不十分であり、正常な冬眠サイクルを維持できなかった。また、変異体では肩甲間褐色脂肪組織における脂肪滴量の減少も認められ、加えて、下垂体隆起部や視床下部における光周期応答において異常が示唆された。これらの結果は、変異体において日長応答機能不全が褐色脂肪組織リモデリングの遅延を起こしたため、急激な秋冬期環境への曝露が体温恒常性や冬眠中途覚醒に重大な障害をもたらしたことを示している。AANATによるメラトニン合成は、野生下における季節性哺乳類の生存に不可欠である。 |
| 公表論文 | Targeted disruption of the aralkylamine N-acetyltransferase gene in a seasonal mammal, Mesocricetus auratus, PNAS Nexus, 4(6): pgaf159 |
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