研究助成
2023年度 生命科学研究助成
神経炎症の起点を制御する分子機構の解明
| 研究題目 | 神経炎症の起点を制御する分子機構の解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 生命科学研究助成 |
| 所属 | 新潟大学 脳研究所 脳病態解析分野杉江研究室 |
| 氏名 | 杉江 淳 |
| キーワード | ショウジョウバエ / 神経変性 / Toll受容体 / 疾患モデル |
| 研究結果概要 | ショウジョウバエの持続的光刺激ストレスモデルを用い、慢性ストレスが神経変性を引き起こす分子機構を解明した。持続的な光ストレスを受けた視細胞では活性酸素種(ROS)が蓄積し、ミトコンドリア機能障害が生じることが判明した。この酸化ストレスを背景に、グリア細胞から分泌されるSpz/Spz5リガンドと受容体のエンドサイトーシスを伴う、視細胞でのToll-1自然免疫受容体の活性化が誘導される。このニューロンにおけるToll-1活性化は、下流でグリア細胞の貪食受容体Draperの発現を促し、ホスファチジルセリンのeat-meシグナルを露出したストレス視細胞軸索の過剰なグリア貪食を引き起こすことで、軸索変性を駆動する。本成果は、慢性ストレスを構造的退行へと変換する、これまで未知であったニューロン・グリア間シグナル軸の存在を突き止めたものである。また、関連遺伝子の病態解析として、視神経変性を伴う優性視神経萎縮症(DOA)のハエモデルを構築し、重症型のDOA plus変異体が示す優性阻害効果の識別系を確立したほか、ヌーナン症候群様疾患の病因となるRRAS2変異体の機能解析を病態モデルで行った。 |
| 公表論文 |
1. An Innate Immune Receptor Toll-1 converts chronic light stress into glial-phagocytosis. bioRxiv (Preprint). doi: https://doi.org/10.1101/2025.09.03.673940 2. Systemic identification of dominant-negative OPA1 variants using a Drosophila model. eLife. Volume 12, RP87880 (2024) 3. Functional analysis of RRAS2 variants associated with Noonan-like syndrome using a Drosophila model. Frontiers in Genetics. Volume 15, 1383176 (2024) |
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