研究助成

2023年度 生命科学研究助成

甘味やうま味を感知するヒト味覚受容体の構造生物学的解析

研究題目 甘味やうま味を感知するヒト味覚受容体の構造生物学的解析
年度/助成プログラム 2023年度 生命科学研究助成
所属 岡山大学 学術研究院医歯薬学域 構造生物薬学研究室
氏名 山下 敦子
キーワード 味覚受容体
研究結果概要 良好な組換えタンパク質調製が構造解析のボトルネックとなっていたヒト甘味受容体・うま味受容体TAS1Rについて、発現条件スクリーニングの結果、細胞外ドメインの発現局在を大幅に改善する変異体や、局在に加え発現産物の折りたたみを大幅に改善する発現戦略を見出した。そこで、これらを利用した大量発現系を構築し、組換えタンパク質調製を試みたが、いずれにおいても構造解析に十分な量の精製試料を得ることはできなかった。一方、ヒト甘味受容体と類似した基質特異性を示す相同TAS1Rについて、構造解析が可能な質・量の試料調製を達成した。
また、研究代表者らがすでに組換えタンパク質調製や構造解析に成功しているメダカTas1r2a/Tas1r3リガンド結合ドメインをはじめとする魚類TAS1Rと、ヒトうま味受容体の予測構造や、研究期間中に他グループから報告された甘味受容体構造とを比較することで、ヒトTAS1Rと魚類TAS1Rとで異なる基質特異性を示す構造要因を明らかにした。逆に、味物質となる化合物が持つ一部の官能基に対する特異性が、ヒトTAS1Rと魚類TAS1Rとで共通する可能性と、その責任候補部位を見出した。
公表論文 Chemical range recognized by the ligand-binding domain in a representative amino acid-sensing taste receptor, T1r2a/T1r3, from medaka fish. PLoS One 19, e0300981 (2024)
Insights into the taste of organic acids via TAS1Rs. J. Oral Biosci. 68, 100731 (2026)