研究助成
2023年度 ライフサイエンス研究助成
細胞運動に伴う核変形:神経上皮組織の細胞生産へもたらす影響
| 研究題目 | 細胞運動に伴う核変形:神経上皮組織の細胞生産へもたらす影響 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 ライフサイエンス研究助成 |
| 所属 | 京都大学 高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS) 見學研究室 |
| 氏名 | 川上 巧 |
| キーワード | 核変形 / 細胞周期 / 細胞生産 / 機械刺激 |
| 研究結果概要 | 哺乳動物の大脳形成では、神経前駆細胞(NPC)による適切な細胞生産が重要であり、その破綻は脳機能異常につながる。発生期NPCは、高密度な脳室帯内で核を上下方向へ移動させながら細胞分裂を行うが、その際に生じる大きな核変形の生理的意義は不明であった。本研究では、核膜構成因子Lamin Aを導入して核を変形しにくい状態に操作し、核変形の役割を解析した。その結果、核膜剛性の上昇に伴って核運動速度が著しく低下し、細胞周期進行にも変化が認められた。また、Lamin A導入細胞では分化細胞の産生割合が低下し、未分化状態を維持する傾向が認められた。さらに、細胞増殖に関与する機械刺激応答因子YAPの核移行が観察されたことから、核膜の物理特性変化が機械刺激応答へ影響を与えている可能性が示唆された。以上より、本研究は、発生期NPCにおいて核膜の物理特性が適切に調節されることが、密集した組織環境下での正常な核運動、細胞周期進行、細胞生産を支える上で重要な役割を担う可能性を示した。 |
| 公表論文 |
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