研究助成
2023年度 ライフサイエンス研究助成
自閉症モデルマウスにおけるオキシトシン神経細胞の転写ネットワークの異常
研究題目 | 自閉症モデルマウスにおけるオキシトシン神経細胞の転写ネットワークの異常 |
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年度/助成プログラム | 2023年度 ライフサイエンス研究助成 |
所属 | 理化学研究所 生命機能科学研究センター 比較コネクトミクス研究チーム |
氏名 | 宮道 和成 |
キーワード | 自閉症モデルマウス / オキシトシン / トランスクリプトーム解析 / 社会性行動 / 薬理遺伝学 |
研究結果概要 | 社会性の不調を伴う発達障害は、数百種類に上る遺伝的なリスク因子と、母胎内における環境要因とが複雑に交絡して発症に至ると考えられています。そのため、脳の中でどのような神経細胞が機能低下して社会性の不調に至るのかよく分かっていません。 そこで私たちは、環境要因(薬物服用)による社会性不調モデルマウスにおいて、組織学的な観察と網羅的な遺伝子発現パターン解析を用いて、機能低下した神経細胞を探索しました。その結果、社会性行動の制御に重要な小細胞性オキシトシン神経細胞が遺伝子発現パターンの顕著な異常を示し、 オキシトシンを合成できない状態に陥っていることが分かりました。この機能不全は、オキシトシン神経細胞を新生期あるいは思春期に一過的に興奮させることで持続的に回復し、 社会性行動も改善することが判明しました。本研究成果は、自閉スペクトラム症など社会性の不調を伴う発達障害の背景に、特定の神経細胞の脆弱性が潜んでいる可能性を提起し、将来的な治療標的の設定に貢献するものです。 |
公表論文 |
Flexible adjustment of oxytocin neuron activity in mouse dams revealed by microendoscopy. Science Advances, Vol 10, Issue 50 2024. DOI: 10.1126/sciadv.adt155 Selective vulnerability of parvocellular oxytocin neurons in social dysfunction. Nat Commun.15: 8661 2024. doi: 10.1038/s41467-024-53092-w . |
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