研究助成
2023年度 ライフサイエンス研究助成
タンパク質合成装置の弱点を補強する「潤滑油」的翻訳因子群の機能解析
| 研究題目 | タンパク質合成装置の弱点を補強する「潤滑油」的翻訳因子群の機能解析 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 ライフサイエンス研究助成 |
| 所属 | 東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター 田口研究室 |
| 氏名 | 茶谷 悠平 |
| キーワード | タンパク質合成 / リボソーム / 難翻訳配列 / 翻訳促進因子 |
| 研究結果概要 | 多様な機能や配列を有するタンパク質の中には、細胞内のタンパク質合成装置であるリボソームによる合成が困難なアミノ酸モチーフ、すなわち「難翻訳配列」を含むものが存在する。難翻訳配列は、翻訳の一時停止などを引き起こす一方、EF-Pなどの翻訳促進因子の働きによってその合成が補助されるが、翻訳促進因子の全体像と分子機構は十分に明らかでない。本研究では、大腸菌が保持する4種のABCFタンパク質EttA, Uup, YheS, YbiTに着目し、その機能解析を行った。その結果、各ABCFタンパク質はそれぞれ異なる難翻訳配列に特異的に作用し、タンパク質合成を促進することが明らかとなった。さらに、リボソーム内部に作用すると考えられるリンカードメインに網羅的に変異を導入し、各変異が翻訳促進活性に与える影響を評価したところ、各ABCFタンパク質で異なる部位に作用するアミノ酸残基が、それぞれの翻訳促進活性に重要であることが示唆された。以上より、4種のABCFタンパク質は互いに異なる作用機序でリボソームに働きかけ、難翻訳配列に起因する翻訳異常を解消する可能性が示された。 |
| 公表論文 |
A mini-hairpin shaped nascent peptide blocks translation termination by a distinct mechanism. Nature Communications. 16, 2323. (2025) The ABCF proteins in Escherichia coli individually cope with ‘hard-to-translate’ nascent peptide sequences Nucleic Acids Research, 52, 5825–5840. (2024) Non-specific N-terminal tetrapeptide insertions disrupt the translation arrest induced by ribosome arresting peptide sequences. Journal of Biological Chemistry, 300, 107360. (2024) |
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