研究助成

2023年度 医学系研究助成(基礎)

膜小器官接触部位における非小胞性脂質輸送機構とその生物学的意義の解明

研究題目 膜小器官接触部位における非小胞性脂質輸送機構とその生物学的意義の解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(基礎)
所属 自治医科大学 解剖学講座解剖学部門
氏名 望月 信弥
キーワード 膜小器官接触部位 / 脂質輸送 / 小脳顆粒細胞 / 移動
研究結果概要 脂質は生体膜の形成だけでなく神経分化や細胞移動に重要である。脂質輸送タンパクは特定の脂質を細胞内の必要な部位に輸送する働きをもつため、脂質の機能発現に欠かせない。しかしながら、タンパクによる脂質輸送の生理的意義は不明である。そこで本研究では、脂質結合ドメインを持つORP6の脂質輸送とその機能ぼ解明を目的として研究を行った。申請者は、ORP6が小脳顆粒細胞内の小胞体と細胞膜との間で、PI4Pとフォスファチジルセリンの対向輸送に働くことを明らかにした。次に、ORP6の生体機能を明らかにするため、小脳の発達期ごとのORP6の発現量を調べた。ORP6は小脳顆粒細胞の分化と移動の時期に一致して発現量が増加した。次に培養神経細胞を用いて、ORP6が未成熟顆粒細胞の過剰な突起伸長を抑制し細胞移動を促進することを発見した。加えて、未成熟マウスにおいて、ORP6による脂質輸送の阻害下では顆粒細胞の移動が阻害された。以上より、ORP6が小脳顆粒細胞の小胞体と細胞膜との間で異なるリン脂質の輸送を担い、突起伸長を制御し移動を促進することを発見した。
公表論文 Oxysterol-binding protein-related protein 6 regulates neuronal morphology and migration of cerebellar granule cells during cerebellar development in vivo, Biochemistry and Biophysics Reports, 46 102585 2026年4月