研究助成

2023年度 医学系研究助成(感染領域)

代謝異常と抗ウイルス自然免疫とが結びつく新たなメカニズムの解明

研究題目 代謝異常と抗ウイルス自然免疫とが結びつく新たなメカニズムの解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(感染領域)
所属 熊本大学 大学院生命科学研究部 免疫学講座 
氏名 幸脇 貴久
キーワード 脂質代謝 / 自然免疫
研究結果概要 ウイルス核酸受容体RIG-Iが媒介するインターフェロン誘導は厳密にコントロールされている。本研究ではRIG-Iを介した自然免疫応答を活性化する化合物スクリーニングを実施し、コレステロール合成阻害剤のスタチンを同定した。実験の結果、スタチンによるコレステロール低下を検知するSREBPと呼ばれる転写因子が、非古典的なインターフェロン遺伝子(IFN-ω)の発現を促進していることを突き止めた。IFN-ωは、コレステロール低下によって発現が上昇し、IFNレセプターを介してRIG-Iの発現が上昇していることが明らかとなった。さらに、スタチンを投与したマウスの肺の1細胞RNA-seqを実施しスタチンによってRIGーIの発現が上昇する肺胞マクロファージを同定した。本研究成果はコレステロール制御によって高ウイルス自然免疫応答を高めることで、感染症をコントロールする技術の基礎基盤を提供する知見として意義深い。
公表論文 Cholesterol restriction primes antiviral innate immunity via SREBP1-driven noncanonical type I IFNs. EMBO Rep. 2025 Jan;26(2):560-592. doi: 10.1038/s44319-024-00346-9. Epub 2024 Dec 12. PMID: 39668245; PMCID: PMC11772592.