研究助成

2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

ミクログリアからの新規分泌機構に着目したalphaシヌクレインシード拡散機構の解明

研究題目 ミクログリアからの新規分泌機構に着目したalphaシヌクレインシード拡散機構の解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 東京大学 大学院医学系研究科 神経病理学分野
氏名 桑原 知樹
キーワード ミクログリア / αシヌクレイン / リソソーム / 細胞外分泌 / LRRK2
研究結果概要 パーキンソン病(PD)やレビー小体型認知症の脳内に蓄積するαシヌクレインは細胞間を伝播することで蓄積病変を拡大すると考えられている。これまでにミクログリアや別のPD病因タンパク質LRRK2がαシヌクレインの初期拡散に寄与する可能性を見出していたことから、マウス脳内においてこれらの候補因子の役割に着目して解析した。αシヌクレイン線維を線条体に注入すると速やかに黒質や大脳皮質、脳梁やその対側に伝播し、伝播先で主にミクログリアと共局在していた。また、αシヌクレインのPD病因変異により伝播・蓄積が亢進し、A53T>G51D>野生型の順であった。LRRK2 KO, Tgマウスにおける明らかな伝播の違いは認めなかった。さらにLRRK2変異を有する中脳オルガノイドを作出してαシヌクレイン線維を注入し、その速やかな拡散と蓄積を確認したが、LRRK2の変異効果は限定的であった。細胞実験では薬剤処理によるLRRK2の活性化がαシヌクレイン分泌を誘発したことから、LRRK2活性化をもたらす内因性の機構をさらに探索し、ホスホイノシチド代謝の変化やcGAS-STING経路が活性化に寄与することを見出した。
公表論文 LRRK2 is activated by phosphatidylinositol 3-phosphate in conjunction with CASM. bioRxiv 2025.12.16.694573; doi: 10.64898/2025.12.16.694573

Subtype-specific secretion of extracellular vesicles by LRRK2 and Rab GTPases under lysosomal stress. bioRxiv 2026.04.14.718125; doi: 10.64898/2026.04.14.718125