研究助成
2023年度 医学系研究助成(基礎)
小胞体ストレスと慢性炎症の連関から迫るシェーグレン症候群の発症機序の解明
| 研究題目 | 小胞体ストレスと慢性炎症の連関から迫るシェーグレン症候群の発症機序の解明 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(基礎) |
| 所属 | 大阪大学 歯学研究科生化学教室 |
| 氏名 | 村上 智彦 |
| キーワード | 炎症 / 小胞体ストレス / シェーグレン症候群 |
| 研究結果概要 | 小胞体ストレスが炎症の慢性化に寄与することは示唆されているものの、その詳細な機序には不明な点が多い。我々は、小胞体ストレスと慢性炎症を繋ぐ可能性のある因子としてIκBζに着目した。IκBζは炎症を正あるいは負に制御する転写調節因子であり、その欠損によってシェーグレン症候群が発症することが知られている。機序を解析した結果、マクロファージにおける炎症時には、小胞体ストレスに伴ってIκBζが強く誘導され、これが活性型XBP1と協働して炎症を相乗的に促進することが明らかになった。一方で、IκBζの欠損が病態に直結する上皮細胞においては、IκBζが炎症に対するブレーキとして機能しており、その欠損により炎症シグナルが恒常的に亢進することも見出した。さらに、IκBζ欠損マウスの病態は、結膜上皮における杯細胞の減少を起点として進行していた。結膜では初期発生因子Gdf5の低下が認められたが、その転写誘導因子であるHoxa10の発現は逆に上昇していた。他の分化マーカーの発現は正常に保たれていることから、本病態の主因は細胞の分化異常ではなく、炎症シグナルの亢進に伴う細胞死であると考えられた。 |
| 公表論文 | HOXA10 promotes Gdf5 expression in articular chondrocytes, Sci Rep. 2023, 20;13(1):22778. Murakami T, Ruengsinpinya L, Takahata Y, Nakaminami Y, Hata K, Nishimura R. |
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