研究助成

2023年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))

p53凝集体形成に着目したp53変異卵巣癌の新規治療戦略の推進

研究題目 p53凝集体形成に着目したp53変異卵巣癌の新規治療戦略の推進
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
所属 和歌山県立医科大学  医学部 産科婦人科学講座
氏名 岩橋 尚幸
キーワード p53 / 凝集体 / 卵巣癌
研究結果概要 他のp53変異癌として肺扁平上皮癌に着目した研究を開始した。肺扁平上皮癌症例の病理組織でp53染色を行い、約8%において細胞質p53凝集体が認められ、これらの症例は卵巣癌と同様に無再発生存率および全生存率が有意に低いことを発見し、多変量解析により、p53凝集体の存在は独立した予後不良因子であることを示した。肺扁平上皮癌細胞株を用いた実験では、p53凝集体がシスプラチン耐性に寄与していることを確認し、p53凝集体阻害剤によりシスプラチンに対する感受性が回復することが示された。患者由来腫瘍オルガノイドを用いた解析から、p53凝集体の阻害が細胞増殖を抑制し、トランスクリプトーム解析からp53凝集体が細胞周期やエネルギー代謝、KEAP1-NFE2L2経路など、複数の癌化経路に関与していることを明らかにできた。以上について論文発表を行った。また、子宮体癌や大腸癌においても同様に細胞質p53陽性群は予後が不良であることを発見し、p53変異の有無の解析を追加し、p53変異のドメインの違いとして核移行ドメインと四量体化ドメインの変異に細胞質p53陽性群が多いことが判明した。
公表論文