研究助成
2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
二次性認知症の共通病態を標的とした新しい認知機能改善療法の創出
| 研究題目 | 二次性認知症の共通病態を標的とした新しい認知機能改善療法の創出 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
| 所属 | 大阪大学 大学院医学系研究科 創薬神経科学・分子神経科学 |
| 氏名 | 糸数 隆秀 |
| キーワード | 糖尿病性認知機能障害 / 二次性認知症 / ミクログリア / FPR2 / 新規物体認識試験 |
| 研究結果概要 | 本研究では、2次性認知症に対する新しい治療法を創出することを目指した。特に、糖尿病関連認知機能障害におけるFormyl peptide receptor 2(FPR2)の役割を検討した。2型糖尿病モデルdb/dbマウスでは、海馬歯状回においてミクログリア・アストロサイト活性化とともに、両細胞でFPR2発現上昇が認められた。そこで選択的FPR2阻害剤WRW4を脳室内持続投与したところ、Novel Object Recognition TestおよびObject Placement Testで認められる認識記憶・空間記憶障害が改善した。一方、血糖値、体重、不安様行動、作業記憶には有意な変化を認めなかった。病理学的解析では、db/dbマウス海馬ミクログリアにみられる細胞体肥大、突起短縮、分岐減少などの活性化形態がWRW4により改善し、貪食マーカーCD68発現も低下した。以上より、FPR2は糖尿病条件下で海馬ミクログリア活性化と認知機能低下に関与し、その阻害が糖尿病関連認知障害に対する新たな治療戦略となる可能性が示された。 |
| 公表論文 | Formyl peptide receptor 2 antagonist WRW4 ameliorates diabetes-induced cognitive decline in mice. Neuroscience Research. 2025, 218:104932 |
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