研究助成

2023年度 医学系研究助成(基礎)

ウイルス感染に応答した膜脂質のユビキチン化の分子基盤および意義の解明

研究題目 ウイルス感染に応答した膜脂質のユビキチン化の分子基盤および意義の解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(基礎)
所属 東京大学 大学院医学系研究科 分子生物学講座 分子生物学分野 水島研究室
氏名 坂巻 純一
キーワード ユビキチン / 脂質 / オルガネラ / リソソーム / ウイルス
研究結果概要 ユビキチンとタンパク質の共有結合は真核細胞で普遍的に見られる修飾反応であり、数多くの生命現象や疾患に関わることが知られている。ユビキチン化の標的は長らくタンパク質のみであると考えられてきたが、研究代表者は、エンドソームやリソソームなどのオルガネラ膜のリン脂質がユビキチン化されるという新しい修飾様式を発見した。この修飾が昆虫のウイルスであるバキュロウイルスでも見られることより、ウイルス感染への関与が強く示唆された。そこで、本研究では膜脂質のユビキチン化の機構と意義を明らかにすることを目指し解析を行った。その結果、オルガネラストレスにより新規の脂質のユビキチン化が検出された。標的の脂質の候補とその修飾を担うユビキチン化酵素を同定し、修飾の分子機構の解明に大きな前進が見られた。そして、ユビキチン化酵素の欠損細胞の解析から、この脂質のユビキチン化がオルガネラ品質管理に重要であるという結果も得られ、その生物学的意義の解明にも進捗が見られた。以上の結果より、膜脂質のユビキチン化は細胞内に幅広く存在する修飾機構で、オルガネラ機能制御に重要であることが示唆された。
公表論文