研究助成

2023年度 医学系研究助成(基礎)

抗体産生細胞の長寿命化に必要な因子の探索

研究題目 抗体産生細胞の長寿命化に必要な因子の探索
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(基礎)
所属 大阪大学 感染症総合教育研究拠点 生体応答学チーム
氏名 小池 拓矢
キーワード 長寿命形質細胞 / 抗体
研究結果概要  二次リンパ組織で新たに形成された形質細胞は骨髄内のニッチへ移動し、そこで長寿命形質細胞(LLPC)として生存する。LLPCはこれまで広く解析されてきたが、形質細胞の長寿命性を決定する主要な因子が何であるかは、未だ明らかではない。一つのモデルでは、形質細胞の不均一性は誘導部位 (二次リンパ組織)で確立され、それによってその寿命が規定されると考えられている。
 本研究では、二次リンパ組織で新たに形成されたIgG形質細胞の中で、インテグリンβ7高発現の細胞が骨髄へ移行する一方、インテグリンβ7低発現の細胞は二次リンパ組織に留まることを見いだした。機序として、インテグリンβ7高発現形質細胞では転写因子KLF2の発現が高く、KLF2を欠損させるとS1PR1およびCD11bの発現低下を介して形質細胞の二次リンパ組織から骨髄への移行が障害された。さらに、KLF2欠損により形質細胞の骨髄移行を阻害すると抗体の持続性が損なわれ、その結果、マウスはインフルエンザ再感染に対してより感受性が高くなった。
 したがって、誘導部位で確立される形質細胞の移動プログラムは、抗体持続性の決定に重要な役割を果たす。
公表論文 KLF2 expression in IgG plasma cells at their induction site regulates the migration program. J. Exp. Med. (2025) DOI: 10.1084/jem.20241019
TACI is required for the survival of short- and long-lived plasma cells. Int. Immunol. (2025) DOI: 10.1093/intimm/dxaf067