研究助成
2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
精神疾患における脳内脂質異常の意義
| 研究題目 | 精神疾患における脳内脂質異常の意義 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
| 所属 | 北海道大学 大学院医学研究院 生理系部門生化学分野医化学教室 |
| 氏名 | 近藤 豪 |
| キーワード | 統合失調症 / 認知機能障害 / 脂質 / 質量分析イメージング / 光遺伝学 |
| 研究結果概要 | 統合失調症における認知機能障害は,現在の治療法によってほとんど改善しないため,患者の社会復帰を困難にしている.我々はこれまでに統合失調症患者死後脳における脂質異常を見出し,当該脂質を動物脳内で操作観察するための技術開発を進めてきた.本研究課題では,これらの技術を用いて疾患モデルマウスを解析することで,統合失調症における脂質異常の機序とその意義の解明を目指した. 複数の疾患モデルマウスの比較した結果,特定の疾患モデルが患者死後脳における脂質異常を再現することを見出した.さらに当該モデルの病態誘導機序に基づき,脂質異常の原因となるシグナル経路候補を同定した.当該シグナル経路を薬理学的に阻害したところ,疾患モデルにおける脂質異常と作業記憶低下が抑制された.また,人為的操作によりマウス脳内において脂質異常を再現したところ,マウスの作業記憶が低下する一方で,多動などの陽性症状様変化は認めなかった. 以上の結果から,死後脳研究において見出した脂質異常が統合失調症における認知機能障害につながる可能性,当該脂質が認知機能改善のための治療標的になる可能性が示唆された. |
| 公表論文 |
Neuroimmune modulation by tryptophan derivatives in neurological and inflammatory disorders. European journal of cell biology, 2024;103(2):151418. doi: 10.1016/j.ejcb.2024.151418 Bacterial extracellular vesicle ssRNA prevents colorectal cancer progression via Piezo1. Cell Reports. 2026;45(1):116737. doi: 10.1016/j.celrep.2025.116737 |
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