研究助成

2023年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))

放射線とウイルスによるハイブリッドがん治療法の開発

研究題目 放射線とウイルスによるハイブリッドがん治療法の開発
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
所属 北海道大学 大学院医学研究院 医理工学グローバルセンター 放射線治療部門 生物医理工学セクション
氏名 小野寺 康仁
キーワード 放射線治療 / BNCT / 合成生物学
研究結果概要 本研究では、①がん細胞に特定のホウ素化合物を効率よく取込ませるための人工代謝経路を合成すること、②これを腫瘍溶解ウイルス等と組合わせBNCTと免疫療法を可能とする「ハイブリッドがん治療法」を確立することを試みた。項目①について、種々の生物に由来するトランスポーターや代謝酵素の遺伝子をコドン最適化したのちヒトがん細胞に安定導入し、それぞれ発現と細胞内局在を確認した。遺伝子導入細胞において、コントロール細胞と比べて目的とするホウ酸化合物の取込み亢進の傾向が見られた。また、遺伝子導入細胞に10B化合物を投与して数時間後に熱中性子照射を行ったところ、10B-BPAの投与と同様の顕著な細胞死が観察された。当該の10B化合物を投与したコントロール細胞は、熱中性子照射の有無に関わらず著明な細胞死は起こらなかった。以上のことから、人工遺伝子の導入および10B化合物の投与によって、熱中性子照射によるBNCT様の細胞死誘導が可能であると示唆された。現在、項目②を行うにあたり遺伝子サイズの調整を行っている。さらに併行して、当該10B化合物を細胞内に保持する手法の開発を進めている。
公表論文