研究助成
2023年度 医学系研究助成(感染領域)
単純ヘルペスウイルスによる免疫回避戦略の理解
| 研究題目 | 単純ヘルペスウイルスによる免疫回避戦略の理解 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(感染領域) |
| 所属 | 東京大学 医科学研究所 ウイルス病態制御分野 |
| 氏名 | 丸鶴 雄平 |
| キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 糖鎖修飾 |
| 研究結果概要 | 単純ヘルペスウイルス(HSV)はヒトに生涯潜伏感染し、免疫を有する生体内でも効率的に再活性化・伝播する。本研究では、ウイルスの主要なエンベロープ糖蛋白質gBに着目し、その141番目のアスパラギンに付加されるN結合型糖鎖が、ヒト抗体による中和や抗体依存性細胞傷害(ADCC)から逃れる「グリカンシールド」として機能することを明らかにした。この糖鎖を欠く変異ウイルスは、ヒト抗体を投与したマウスやHSV感染で免疫を獲得したマウスにおいて増殖が顕著に抑制され、糖鎖が生体レベルでの抗体回避に必須であることを実証した。さらに、この糖鎖は抗体からの回避だけでなく、ウイルスの神経病原性や中枢神経系での増殖にも必要であり、単一部位の糖鎖が免疫回避と病原性という二つの役割を担うことを見出した。本知見は、エンベロープ糖蛋白質を標的とするHSVワクチンの設計に資する基盤的成果である。 |
| 公表論文 | A. Fukui, Y. Maruzuru, S. Ohno, M. Nobe, S. Iwata, K. Takeshima, N. Koyanagi, A. Kato, S. Kitazume, Y. Yamaguchi, Y. Kawaguchi. (2023) Dual impacts of a glycan shield on the envelope glycoprotein B of HSV-1: evasion from human antibodies in vivo and neurovirulence. mBio 14: e00992-23. |
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