研究助成

2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

自閉症における樹状突起スパイン異常メカニズムの解明

研究題目 自閉症における樹状突起スパイン異常メカニズムの解明
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 神戸大学 大学院医学研究科、生理学・細胞生物学講座・生理学分野
氏名 玉田 紘太
キーワード Necdin / 樹状突起スパイン / RNAseq / 自閉症
研究結果概要 本研究では、自閉スペクトラム症で高頻度に認められる15q11-q13重複に着目し、その責任遺伝子候補として同定したNDNが樹状突起スパイン異常を引き起こす分子機序の解明を目指した。核内型・核外型NDNを用いた解析の結果、NDNのスパイン増加作用は核内局在型でも保持される一方、核外局在型でより強く増強され、NDNが核内転写制御のみならず、細胞質あるいはシナプス近傍での機能を介してスパイン形成を制御する可能性が示された。さらに、高純度の神経細胞核分離法を整備するとともに、初代培養神経細胞を用いたBulk RNA-seq解析により、Ndn下流の候補遺伝子群を抽出した。また、NeuN陽性核分画における神経細胞マーカーの上昇と非神経細胞マーカーの低下を確認し、解析基盤の妥当性を示した。これらの成果は、NDNが限局した分子ネットワークを介して自閉症関連のシナプス異常を制御する可能性を支持するものであり、自閉症病態の分子理解の深化と新規治療標的探索に向けた基盤的知見を提供する。
公表論文 Kota Tamada*, Toru Takumi*. *: Correspondence. Neurodevelopmental impact of CNV models in ASD: Recent advances and future directions. Current Opinion in Neurobiology. 2025;92:103001.

Kota Tamada, Toru Takumi. The East Asian-Specific Risk Genes in Autism Spectrum Disorder. <i>Biological Psychiatry. 2023;94(10):762-764.