研究助成
2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
レジリエンスを担う末梢-脳内回路刺激によるストレス関連精神障害の治療法開発 : プロラクチン放出ペプチドの働き
| 研究題目 | レジリエンスを担う末梢-脳内回路刺激によるストレス関連精神障害の治療法開発 : プロラクチン放出ペプチドの働き |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2023年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
| 所属 | 自治医科大学 医学部生理学講座神経脳生理学部門 |
| 氏名 | 吉田 匡秀 |
| キーワード | プロラクチン放出ペプチド / オキシトシン / レジリエンス |
| 研究結果概要 | プロラクチン放出ペプチド(PrRP)とオキシトシン(OXT)が形成する神経回路に着目し、ストレス適応の脳内機序を解析した。代表者はこれまでに、社会的敗北ストレス(SDS)が延髄PrRP細胞と視床下部OXT細胞を活性化し、PrRPがOXT分泌を促進するPrRP-OXT経路を見出してきた。本研究では新たに下流の視床下部腹内側核外側部(vlVMH)OXT受容体(OXTR)細胞の機能を解析した。vlVMH OXTR細胞は視床下部室傍核OXT細胞から投射を受け、SDSで強く活性化した。化学遺伝学的な同細胞の活性化は適応的な対処行動である服従姿勢を促進し、逆にOXTR局所欠損は抑制した。OXT-vlVMH OXTR系が急性SDS下での能動的対処を支える回路であることが示された。一方で、慢性SDS下での過活性化は、社会恐怖記憶の般化と不適応な社会回避を誘発した。以上より、vlVMH OXTR細胞は、急性には適応を促す一方で、慢性的な過活性は社会性の低下を招く二面性を持つ。PrRP-OXT-vlVMH OXTR経路は、適応の限界を左右し、レジリエンスを構成する重要な神経基盤の一つである可能性がある。 |
| 公表論文 | Nasanbuyan N, Yoshida M*, Inutsuka A, Takayanagi Y, Kato S, Hidema S, Nishimori K, Kobayashi K, Onaka T*: Differential Functions of Oxytocin Receptor-Expressing Neurons in the Ventromedial Hypothalamus in Social Stress Responses: Induction of Adaptive and Maladaptive Coping Behaviors. Biological Psychiatry 97(9), 874-886 2025 |
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