研究助成

2023年度 医学系研究継続助成(基礎)

分子量の相違性に着目したヒアルロン酸の機能解明と加齢性疾患の予防への応用

研究題目 分子量の相違性に着目したヒアルロン酸の機能解明と加齢性疾患の予防への応用
年度/助成プログラム 2023年度 医学系研究継続助成(基礎)
所属 大阪公立大学 大学院医学研究科、病態生理学
氏名 高杉 征樹
キーワード ヒアルロン酸 / CD44 / 寿命 / プロテオスタシス
研究結果概要 ハダカデバネズミ(NMR)は加齢関連疾患に耐性を持つ最長寿の齧歯類である 。本研究では、NMRからオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)を単離し、他種の哺乳類のOPCとトランスクリプトームを比較解析した 。その結果、長寿種のOPCを特徴付ける最大の要因として、細胞外マトリックス(ECM)関連遺伝子の高発現が同定された 。中でもECM結合タンパク質であるCD44の発現レベルは、OPCだけでなく肝臓や皮膚、線維芽細胞などの様々な組織や細胞においても、種の最大寿命と正の相関を示すことが判明した 。さらに、CD44は小胞体(ER)に局在し、リガンドであるヒアルロン酸(HA)を必要とせずに、小胞体ストレス応答の主要な制御因子であるATF6の基底活性を高めることが明らかとなった 。これにより、CD44はERのプロテオームや膜特性を非古典的に変化させ、細胞の小胞体ストレス耐性を強化していることが示された 。以上の結果から、CD44が介在するHA非依存的なプロテオスタシス(タンパク質恒常性)の制御機構が、ヒトを含む哺乳類全体の長寿メカニズムに寄与している可能性が強く示唆された 。
公表論文 CD44 correlates with longevity and enhances basal ATF6 activity and ER stress resistance. Cell Rep 2023, 42(9):113130.