研究助成

2023年度 薬学系研究助成

細胞内ごみの積極的蓄積による制癌戦略の確立に向けたオートファジー特異的阻害剤の創製

研究題目 細胞内ごみの積極的蓄積による制癌戦略の確立に向けたオートファジー特異的阻害剤の創製
年度/助成プログラム 2023年度 薬学系研究助成
所属 岐阜薬科大学 生命薬学大講座 生化学研究室
氏名 遠藤 智史
キーワード オートファジー / Atg4B / ミトコンドリア
研究結果概要 本研究では、膵臓がんの治療抵抗性に関与するオートファジーを標的とし、薬剤耐性克服に向けた基盤研究を実施した。まず、ゲムシタビン/パクリタキセル耐性MIAPaCa2細胞では、親株に比べてオートファジー関連因子の発現および基礎オートファジー活性が上昇していることを見いだした。さらに、Atg7ノックダウンにより基礎状態および薬剤誘導性オートファジーが抑制され、ミトコンドリアROSの増加とアポトーシス誘導を伴って薬剤感受性が回復することを明らかにした。加えて、Atg4B阻害剤Aup01を基に、細胞毒性、膜透過性、代謝安定性を改善した新規誘導体Aup18を創製した。Aup18はAtg4BのArg229およびSer316との相互作用を介して阻害活性を示し、Sotorasib耐性膵臓がん細胞においてオートファジーを抑制し、異常タンパク質蓄積、ミトコンドリア障害、アポトーシスを誘導してSotorasib感受性を回復させた。以上より、Atg7/Atg4Bを介したオートファジー制御は、膵臓がんの薬剤耐性克服に有効な治療戦略となる可能性が示された。
公表論文 Inhibition of autophagy by Atg7 knockdown enhances chemosensitivity in gemcitabine/paclitaxel-resistant pancreatic cancer MIAPaCa2 cells., J. Biochem., 178(1), 11-24 (2025)