研究助成

2023年度 薬学系研究助成

うつ病悪化セロトニン神経の機能抑制による画期的抗うつ薬の開発

研究題目 うつ病悪化セロトニン神経の機能抑制による画期的抗うつ薬の開発
年度/助成プログラム 2023年度 薬学系研究助成
所属 京都大学  大学院薬学研究科 生体機能解析学分野
氏名 永安 一樹
キーワード セロトニン / うつ病
研究結果概要 全死亡要因の14%を占める精神疾患の中でも特に患者数が多く自死という重大な転帰の原因ともなるうつ病は、約1/3の患者で治療が奏効せず、治療満足度は未だ低い。本研究では、快情動の回復だけでなくストレス耐性の回復をも含めたうつ病からの回復における正中縫線核セロトニン神経の役割を明らかにする。さらに、うつ病悪化セロトニン神経の選択的機能抑制を可能とする低分子化合物の開発を通じて、即効、安全かつ高治療効果のうつ病治療を実現することを目指した。
正中縫線核セロトニン神経伝達への介入により、ストレス抵抗性が著明に変化することを見出した。さらに、正中縫線核セロトニン神経選択的な機能制御を目指した選択的トランスクリプトーム解析を実施し、選択的に発現している受容体を複数同定した。また、そのうち1種類について、独自開発の薬理作用予測AIを用いた新規化合物のin silicoスクリーニングを実施し、新規のリガンド候補を得た。その一部について検証試験を行い、当該受容体への作用を有することを見出した。
公表論文 Effect of antidepressants and social defeat stress on the activity of dorsal raphe serotonin neurons in free-moving animals. J Pharmacol Sci. 2025 Feb;157(2):113-123.
Improved serotonin neuron-specific viral vectors applicable for optogenetic manipulation and recording. J Pharmacol Sci. 2025 Aug;158(4):331-335.
Delayed response of the median raphe serotonin neurons projecting to the ventral hippocampus to aversive stimuli. J Pharmacol Sci. 2026 Feb;160(2):91-96.