研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)

脳内へのグルコース取り込み障害に伴う認知機能低下の発症メカニズムの解明と治療法の開発

研究題目 脳内へのグルコース取り込み障害に伴う認知機能低下の発症メカニズムの解明と治療法の開発
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)
所属 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野、フロンティア研究室、脳代謝制御グループ
氏名 平井 志伸
キーワード 糖代謝 / アストロサイト / アデノ随伴ウイルス(AAV) / 脳疾患
研究結果概要 本研究では、脳内グルコース恒常性の維持機構に着目し、GLUT1欠損症(GLUT1-DS)の新たな病態理解と治療戦略の構築を目指した。従来、GLUT1の機能は主として血管内皮細胞において重視されてきたが、本研究により、アストロサイトにおけるGLUT1も脳機能維持に重要であることが示された。さらに、血管内皮細胞またはアストロサイトのいずれか一方のみへの遺伝子補充では十分な機能改善は得られず、両細胞種を同時に標的化することが、より有効な治療戦略となることが明らかとなった。加えて、アストロサイト特異的かつ血液脳関門透過性を有する新規AAVベクター(AAV-AST)を開発し、GLUT1の内在的発現様式を再現しうる制御配列(Region d)を同定した。これらの知見は、GLUT1-DSに対する新たな遺伝子治療基盤となるだけでなく、グリア細胞を標的とする中枢神経系遺伝子治療の新たな方向性を示すものである。
公表論文 ① Dual targeting of astrocytic and endothelial GLUT1 enables functional rescue in GLUT1 deficiency syndrome, bioRxiv, doi: https://doi.org/10.64898/2026.03.04.709430

②Impact of feeding age on cognitive impairment in mice with
Disrupted-In-Schizophrenia 1 (Disc1) mutation under a high sucrose diet, Behavioural Brain Research, doi: https://doi.org/10.1016/j.bbr.2024.115291