研究助成

2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)

卵子形成・維持に資する遺伝子群の網羅的同定とその分子機能の解明

研究題目 卵子形成・維持に資する遺伝子群の網羅的同定とその分子機能の解明
年度/助成プログラム 2023年度 ビジョナリーリサーチ助成(スタート)
所属 山梨大学 生命環境学部・生命工学科・細胞ポテンシャル研究室
氏名 石内 崇士
キーワード 卵母細胞 / 試験管内誘導
研究結果概要 本研究では、マウス胚性幹細胞(mESC)から卵母細胞様細胞を簡便、効率的、かつ大規模に作製できる二次元培養法を確立することに成功した。従来の三次元培養や生殖巣由来の体細胞を必要とする複雑な手法を改良し、特定の転写因子(4Fまたは8F)の導入と定期的な培地交換のみで誘導を可能にした。作製された卵母細胞様細胞は、生体内の成熟卵子と比較して小型であったためミニ卵母細胞と名付けたが、トランスクリプトームおよびプロテオーム解析により、生体内卵子と極めて高い分子的な類似性を持つことが示された。また、電子顕微鏡観察により、透明帯様構造や微絨毛などの卵子特異的な構造の一部も確認された。さらに本手法の有用性を実証するため、遺伝子ノックアウトスクリーンを実施し、細胞質母性複合体(SCMC)の構成因子であるPadi6が、卵子特異的なUHRF1の細胞質局在とタンパク質レベルの維持に寄与していることを明らかにした。本研究成果は、入手が困難な生体内卵子に代わり、10の6乗個以上の細胞を供給可能な実用的な研究プラットフォームを提供し、不妊症の病態解明や卵子形成の分子基盤研究を加速させるものである。
公表論文 A simple, efficient, and scalable method to generate oocyte-like cells in vitro. Life Sci Alliance. 2025 Nov 21;9(2):e202503379. doi: 10.26508/lsa.202503379.